トオラスブログ

Zoomを使ったハイブリッドファシリテーションの可能性

Zoom革命の田原です。

9月1~4日に台湾で実施されたIAFカンファレンスに参加してきました。

9月3日の午前中に行われた分科会の1つ、ハイブリッドファシリテーションのセッションを、香取一昭さん、Amy Lenzoさんと一緒に共同ホストさせていただき、台湾会場で参加してくださった26名と、日本や海外からオンラインで参加してくださった15名ほどとをZoomでつなぎ、リアルとオンラインとで同時にワールドカフェを行うという試みを行いました。

この方法は、オンラインとリアルとを結ぶときに生じる問題点を解決することができる1つの方法として、今後、様々な場所で利用されることになると思います。

リアルとオンラインを結ぶ3つの方法

オンラインコミュニケーションが発展してきたことにより、様々な会場で行われるイベント、研究会、ワークショップなどに対して、「オンラインで参加できるようにしてください」という要望が主催者に届くようになってきました。

オンラインで繋ぐ方法は、以下の3つがあります。

(1)放送形式

(2)対話形式

(3)ハイブリッド

(1)放送形式

これは、ビデオカメラで撮影し、それをただネットで流すという方法です。

講師が一方的に話す講演会などを中継するのに向いています。

参加者が、チャットでコメントできるような機能がついていると、「ニコ生」のような感じで、参加者同士でわいわいチャットで盛り上がりながら視聴することができます。ファシリテーターがチャットの質問などを拾って、途中に講師に投げかけるなどといった演出をすると、さらにインタラクティブ性が生まれます。

Zoomを使う場合は、講師の近くにiPhoneなどを設置することで簡単に配信することができます(撮影用デバイスA)。iPhoneはマイク性能も比較的よいので、クリアな音で配信できます。もちろん、専用のマイクやビデオカメラを使えば、さらに高品質の配信をすることができます。

そのほかに黒板の全体像などを写すカメラ(撮影用デバイスB)がもう一つあると、オンラインの参加者が状況を把握しやすくなります。このとき、こちらのマイクとスピーカーをOFFにしておかないとハウリングを起こします。

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(2)対話方式

対話の場にオンラインから参加したいという希望があったときに、PCを対話の場に持ち込み、参加してもらう場合があります。オンラインからの参加者の人数が少ない場合は、この方法になります。

ただし、このやり方だと、うまくやらないとリアルの参加者も、オンラインの参加者も大きなストレスを抱えることになります。

参加者の存在感に差があるので、リアルの参加者が、どうしても、オンラインの参加者よりも、リアルの参加者を無意識に優先したくなってしまい、間をつなぐファシリテーターは、それを無理に繋ごうとするので疲労していきます。一方で、オンラインの参加者は疎外感を感じやすいです。

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これを改善するためには、リアルの場からも一人一台のデバイスでZoomに入ってもらい、存在感を揃えるとよいです。たとえば、リアルから6人、オンラインから1人といったときには、中央にマイク用のスマホを1台置き、リアルで参加している6人の前にPCやスマホなどを置いて顔が見えるようにします。このとき、各自の前に置いているデバイスのマイクとスピーカーをオフにし、中央のマイク用のスマホのマイクとスピーカーだけをオンにするのがポイントです。マイク用デバイスAの代わりに、会議室用のマイク付きスピーカーを中央に置いてもよいです。その場合は、マイク付きスピーカーを1台のデバイスに繋いでマイクとスピーカーをONにし、残りのデバイスは、顔表示用デバイスBとして、マイクとスピーカーをOFFにしてハウリングしないようにします。

リアルの場の人数が多いときは、1つのテーブルだけをこの設定にしてハイブリッドにし、その他のテーブルは通常のリアルの対話の場にするとよいです。その場合は、全体像を写すためのデバイスを1つ用意しておくと、オンラインの参加者が状況を把握しやすくなります。

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(3)ハイブリッド

リアルの場も10名以上、オンラインからの参加も10名以上いるようなときは、ハイブリッドの対話の場を創るとうまくいきます。

リアルの場のファシリテーターと、オンラインの場のファシリテーターの2人、余裕があれば、リアルとオンラインとの連携をケアする人を1人置きます。

会場にスクリーンを用意し、プロジェクターでZoomの画面を写します。音声は、マイク用のデバイス(iPhoneやiPadなど)を用意し、そのほかのデバイスのマイクとスピーカーは、ハウリング防止のためにOFFにします。

参加者が発言するときは、必要に応じてマイク用のデバイスを発言者の近くに移動し、オンラインの参加者が十分に音声を聞き取れるようにケアします。

リアルの場でワールドカフェなどのグループセッションを行うときは、Zoomでも、同時に、ブレークセッションを行います。

ストーリーテリング、問い、ハーベストなどは、リアルとオンラインで共有し、ファシリテーターの指示に従い、リアルからも、オンラインからも気づきを共有してもらいます。

オンラインでの参加者も対話に参加することができるので、参加者全員の満足度が高くなります。また、遠隔地から参加する人の視点を対話の中に取り入れやすくなり、多様な視点から問いについて探究しやすくなります。

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バーチャルファシリテーションの重要性

Zoomの登場により、特別な機材などを使わずにスマートフォンなどを用いて、安定した接続でリアルとオンラインとを繋ぐことができるようになってきました。

今後、リアルとオンラインとを繋いだハイブリッドな場は、必然的に増えてくるはずです。

状況に応じて適切なつなぎ方を選択し、リアルの参加者も、オンラインの参加者も、ストレス無く対話に集中できる環境作りをすることが、ファシリテーターに求められるスキルの一つになってくるのではないでしょうか。

長くなりましたので、IAFカンファレンスのセッションについての報告は、次回の記事で行います。

Zoomを使ったハイブリッドな場創りを承ります

Zoom革命では、豊富な経験を元に、Zoomを使ったハイブリッドな場創りのお手伝いをいたします。

ハイブリッドセッションをやってみたいという方は、状況によってフレキシブルにサポート対応しますので、まずは、お問い合わせください。

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