実践例 地球市民塾

ジャンル 教育
主宰者 栗崎由子(地球市民塾主宰、異文化マネジメントコンサルタント)
参考URL 地球市民塾 https://goo.gl/dA2nqE

「オンラインセミナー 地球市民塾」は2017年7月15日に始まりました。

オンラインセミナーとは、頭ではわかってもいざ作ろうとするとなにかつかみどころのないものでしたが、田原さんにコンサルティングをして頂いて実現に漕ぎ着けました。

地球市民塾は長い間の私の夢でした。Zoomが手軽に利用できるようになったからこそ実現できたことです。

最初のシリーズは、「世界と関わった人と話そう」と題した、参加者同士の会話を手段として個々人の学びと気づきを深めようとするセミナーです。今のところ毎月一回開催のペースで、主にZoomサポートを担当してくれる友人と2人で運営しています。

内容は、まず私が今まで出会ってきた、世界と関わって仕事をされてきた日本の方々をゲストに迎え、異文化の中で仕事をすること、生きることをテーマにお話しして頂きます。その後、セミナーに参加された方々とゲストが会話をするというものです。

私は1989年にパリの国際機関に仕事を得て渡欧し、以来転職、失職など山坂を超え今はスイスに住んでいます(2017年8月現在)。その私が、今まで国際会議や他の仕事などいろいろな機会に知り合った方々をお招きする、片やこういうテーマに関心のある方たちに集まって頂く、その両者に直に会話をして頂いて、気づき合い、学び合うプロセスを生み出すことを目的にしたセミナーを開催しています。

それが全部、スイスにいながらにして、少し大袈裟に言うとサイバー空間を飛び回りながらできてしまうのです。

地球市民塾では今のところ日本語だけを使うので、大半の方は物理的には日本におられますが、在欧の方もおられます。もうすぐ日本人だけでなく、日本語を話す方たちにも参加を呼びかけようと思っています。

このように、自分がどこにいても、インターネットに繋がりさえすれば会話に参加できるとは素晴らしいと思います!

地球市民塾を始めて数ヶ月、いくつか大切なことに気付きました。

まず、直接話すということの効果がこれほど大きいとは想像していませんでした。ゲストスピーカーの方々は、聞き手の反応が直截でおもしろい、意外な意見や視点がわかって自分も勉強になると仰います。参加者の方々からは、ゲストから直接意見を聞ける、コメントを貰えるのでインパクトが大きいという声が寄せられています。話し手も聞き手も、そこが一般の講演と大きく違うところだと感じられています。

Zoomですと、声が直ぐ間近で聞こえますし、表情もスクリーンで見えるので心理的距離が縮まるのでしょうか。

心理的距離といえば、こんな面白いことにも気がつきました。

ヨーロッパの人々に比べ、日本人は仕事の会議であれインフォーマルな集まりであれ、なかなか自分から意見を言い出さない傾向があると、私は経験から思っていました。何か話しても、直截にものをいうことを避ける傾向もあります。ところが意外なことに、Zoomですと日本の方々も率直に意見や考えを述べられるのです。コミュニケーションがストレートとなると言いましょうか。

日本人も環境が整えばハッキリモノを言うんだ!

30年近くに亘り欧州でコミュニケーションの大きな違いに苦労してきた私にとっては、これは嬉しい驚きでした。

毎回気がつくのですが、セミナーの開始直後と終了時とでは、みなさんの表情が違います。皆、明るく生き生きした顔になっています。それはきっと、それぞれの方が率直に考えを述べられた結果ではないかと思って見ています。

日本社会では人間関係の細かいあり方がコミュニケーションの中に精緻に織り込まれています。Zoomでの出会いには、その「しがらみ」ともいう重みが無い、良い意味で軽やかなのではないでしょうか。

意外な需要を掘り起こしたことにも気づきました。

地球市民塾を始める前は、いったいどれだけの方が興味を持って下さるだろうかと心配していました。異文化理解、異文化とのコミュニケーションというテーマは同質性の高い日本社会では身近なこととは感じられないのではないかと思ったのです。

ところが蓋を開けると予想もしなかった方々が集まってくださるようになりました。

まず英語の先生方です。英語の先生方には、今英語を学ぶ中学高校生たちがどういう国際人になっていけばいいのか、そもそも国際人とはどんな人か、具体的なモデルが身近に無く想像しにくいのかもしれません。そういう問題意識を持つ方々にとり、国際機関の要職に長く就かれた方や国際会議の議長職にあった方々と互いに人間同士として、つまり遠い壇上やテレビの中の人でなく、意見を交わせる機会は役に立つようです。

異文化との接点で日本を考えるという点では、日本の内外で日本語を教える方々も興味を持ってくださいます。

最近の若者は外国に興味を持たないという論評は、日本から私にも聞こえてきます。けれども、そういう希望を持って良質な情報を探している高校生、大学生のいることが地球市民塾を始めてわかりました。

私は国際人とは心に壁の無い人のことだと思います。文化、宗教、性別、国籍、職業などに対し、私も含めて人は知らず知らずのうちに何らかの思い込みを抱えているものです。私は地球市民塾という機会を作ることで、一人でも多くの人が「あ、こういう考えもあるんだ!」「今まで自分が白と思っていたものが、黒に見える人々がいるんだ!」ということに気づき、思い込みから自由になってほしい、そして広い世界に羽ばたくエネルギーを得て欲しいと願っています。

「世界と関わった人と話そう」というシリーズから始めた地球市民塾ですが、いずれは若い人々が国際人として成長するためのトレーニングの機会も提供できるようになりたいと思っています。現在そのための準備も進めています。




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