実践例 大学の授業をZoomで公開

ジャンル 教育
主宰者 筒井洋一(元京都精華大学教授、教育・人材育成コンサルタント)
参考URL ブログ『つつい・めでぃあ』「京都工芸繊維大学授業「リーダーシップ基礎」を見学されませんか?  http://tsutsui-media.net/?p=3090

2017年前期、京都の国立大学工科系学部一年生対象授業「リーダーシップ基礎1」をZoomを使い6回のオンライン授業見学を実施しました。

オンライン授業見学とは、実際の授業を見学できない方に、オンラインでその授業を見学できるようにする場を提供するものです。

2013年から、私の授業では、学外からの授業見学者にいつでも授業に来てもらっています。授業の終盤や、発表時には見学者を受け入れる授業はありますが、初回から見学者を受け入れるとなると抵抗を持つ教員が普通です。でも、私は、むしろまだ発展途上だからこそ公開しました。

見学者の多くは、教育関係者、カウンセラー、ワークショップ専門家なので、見学者も学生グループに入ってもらいました。見学者が傾聴することで学生の話し合いがかなり活発になったり、人見知りする学生も話を始めたりします。教員は、授業全体の進行も行うので個別学生への対応が疎かになりますが、見学者がそれを補ってくれます。

2013年から、15週でのべ100名程度の見学者が来るようになり、2017年前期授業までの5年間で、のべ1000名の見学者がやって来ました。その中で、見学できないけれども、授業を体験してみたいという方も増えてきたので、今年(2017年)前期からZoomで授業公開をはじめました。

授業公開では、教員が授業の片手間でカメラを回しているので、カメラが固定されることがあります。オンライン見学者からすれば、カメラを固定せずに撮影して欲しいという要望もあります。こういった撮影の問題は改善しなかったのですが、同時にオンラインで参加している参加者同士が交流するようになり、初めて出会った人同士で互いの授業についての相談をするようになりました。

つまり、オンライン参加者が無言の状態で授業を見ているだけという状態から、オンライン見学者同士が互いに話し合いながら、授業を見るということが始まったのです。オンライン参加者と授業という縦の関係に、参加者同士の横の関係が生み出されてきました。

ただ、課題もあります。先の撮影問題です。カメラを固定すると、オンライン参加者から見える様子は、教師からの一方向の講義型授業と同じように見えてしまいます。つまり、カメラを操作している教員の思い通りの視点でしか授業を見られないのです。

カメラ担当者がいれば、そういう状況から脱出できますが、教員が片手間で担当しているので限界があります。それを破るのは、オンライン参加者どうしで横のやりとりを広げることであったり、リアルとオンラインとを繋いで、オンライン参加者の意見をリアル参加者に伝えたり、その逆を行ったりすることだったりすることです。

今後は、Zoom担当者を学生スタッフの中から作りだして、カメラワークの質を向上させることや、授業参加者とオンライン参加者とのやりとりをリアルタイムで行う方式(ハイブリッド方式)に取り組みたいと考えています。




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