ZOOM革命とは

社会を覆うピラミッド構造が生み出す問題

 
自己組織化ファシリテーターの田原真人です。
 
人間は、社会的動物であり、一人では生きられません。
 
だから、集まって社会を創ります。
 
社会には、様々な対立が生まれ、放っておくと無秩序なカオス状態になったりします。
 
秩序と安定を求める人たちは、強いリーダーを求め、ピラミッド型の組織が生まれます。
 
ピラミッド型の組織は、ピラミッドの上層部で判断がなされ、指令がトップダウンで降りてきます。
 
一部の人にだけ、思考力や判断力が必要とされ、他の人たちには、忍耐力と従順さが求められます。
 
ピラミッドの上のポジションを与えることは、外発的動機づけに使われ、組織のメンバーが動かされます。
 
この仕組みは、秩序を生み出す一つの方法であり、秩序を保つために一定の効果を上げていると思います。
 
しかし、社会全体をピラミッド組織が覆ってきて、社会の在り方が多様性を失うと、様々な問題が生じてきます。
 
教室内では、生徒が学力テストによって序列化され・・
 
学校は、偏差値によって序列化され・・
 
企業も、一部上場の大企業から、中小企業へと序列化され・・
 
会社内でも、業績によって序列化され・・
 
地域も、都会から地方へと序列化され・・
 
様々なものが一元的な価値観によって比較されて序列化されていき、社会のピラミッド構造のより上のほうのポジションを得るための競争が激化していくことで、社会の中で生きる人たちは、ポジション争いをする周りの人と協力しにくくなり分断され、孤立していきます。
 
また、序列化の下に置かれた人たちは、その価値観を内面化することで、自己肯定感を下げていきます。

序列化のプレッシャーにさらされることで、自分の源に繋がって自分らしく生きることよりも、社会に適応して生きることを優先するようになっていく傾向が強まっていきます。
 
自分の源と切り離された人たちは、場から活力を受け取ることができなくなり、心身に大きなストレスを抱えるようになっていくのではないでしょうか。
 
日本人の10人に1人が鬱病になることや、働いている人の自殺がとても多いこと、学校内でのいじめの発生や、不登校の問題などには、このような社会構造が関わっているのではないでしょうか。
 

「抑える力」から「つながる力へ」への転換

 
ピラミッド型社会が生み出す問題を、どのようにして乗り越えていったらよいのかを考えていたときに、ヒントになったのが、『アクティブ・ホープ』でした。
 

ここには、使っていく力の種類を変えていくという考えが示されていました。

旧来の力ー抑える力

旧来の「力」とは、資源や影響力に対する特権的なアクセスが保障され、人を支配する立場、あるいは人よりも優位な立場にあることに付随するものであった。この種の力とは、ものごとを自分の思い通りにし、他者に自分の望むことをさせる、ということだ。要するに、争いに勝つということであり、他者を打ち負かせば打ち負かすほどあなたは偉くなるというわけだ。この種の力を、私たちは「抑える力」と呼ぶ。

抑える力によって維持されているピラミッド型社会を変えていこうとするときに、同じ力を使っても、別のピラミッド構造を生み出すだけです。
 
そこで大事になってくるのは、異なる種類の力の存在です。
 

もう一つの力ーつながる力

力(power)という言葉は、ラテン語で「~することができる」という意味のpossereが語源である。今から見ていく力とは、他者を支配することではなく、私たちが置かれた滅茶苦茶な状況に対処することができる、という意味での力だ。それは、どれだけ物やステータスを持っているかどうかではなく、洞察や実践、強さや関係性、慈悲の心や生命の織物とのつながりに根差した力である。

つながる力は、相乗効果の存在を土台にしています。つながることによって創発的なプロセスが起こると、全体は部分の総和よりも大きくなります。
 
信頼関係でつながったチームや組織は、全体が一つの生き物のように動き、一人一人がバラバラに取り組んでもできないことが、チームや組織で達成できるようになります。

つながる力とは、チーム、組織、社会に自己組織化を起こし、一人ではできないことが、みんなで達成できたときに感じられるものなのです。
 
ピラミッド型社会を変容させていくためには、つながる力や、自己組織化のプロセスを体験を通して学んでいく必要があると感じています。

自己組織化のプロセス・・<いのち>の与贈循環

 
では、どのようなプロセスで、チームや組織が「いきもののように動く」ことになるのでしょうか?
 
この仕組みを詳しく説明してくれているのが、清水博著『<いのち>の自己組織』です。

 
メンバーが居場所に愛着を持ち、その居場所に無償の行動を注いでいき、それが閾値を超えると、居場所に<いのち>が自己組織化します。
そこで生まれた<いのち>のドラマをメンバー全員が共有し、そのドラマの様々な役割をメンバーが演じることで<活き>が引き出されてきます。
 
つまり、参加者が無償の行動を注ぐことで、居場所に<いのち>が生まれ、居場所の<いのち>がメンバーに「活き」を与えてくれるという与贈循環が生まれるのです。
 
与贈循環が起こっている組織は、全体が1つの生き物のようになり、誰かが命令を下して人を動かさなくても、各自が自分の意志で動いていきます。
居場所の<いのち>のドラマが、各自に生きがいを与えてくれるからです。
 
与贈循環が起こっている多細胞生物のような組織での活動は、幸福感を感じることができます。
一人ではできないことが協力して実現できるようになり、そこに自分も関わっていることに喜びを感じることができます。
 
私は、多くの組織、学校、コミュニティに、このような与贈循環の自己組織化を起こしていくことで、世界を変えていきたいと考えています。
 

管理の矢印を反転する

様々なチーム、組織、社会に働く「抑える力」を「つながる力」へとシフトしていくと、どのようになるのでしょうか?
 
教師も、教室内で「抑える力」を使って生徒を管理していく場合があります。規則を守ったり、勉強をしないと大変なことになるぞと脅し、学力テストの結果によって序列化し、アメとムチとによって生徒を外からコントロールしていくことは可能です。
 
しかし、このような仕組みを変えていこうという試みもあります。

現在注目されているアクティブラーニングや、反転授業は、教師が、「壇上の賢人」から、「寄り添うガイド」へと役割を変え、学びのパラダイムを「教師が何を教えたか」から、「生徒が何を学んだか」にシフトしていこうというのです。
 
これは、教室内で教師が「抑える力」を使うのを止め、生徒同士で「つながる力」を発揮できるように支援していこうという試みです。
 
生徒の主体的な学びが起こるためには、教師がコントロールを手放して、教室を安心安全の場に保つ必要があります。
 
一歩踏み出した生徒を励まし、次々と生徒が一歩踏み出す状況創り出していくと、愛を起点とした行動が誘発されていき、学びの渦が生まれます。
 
教室という居場所に<いのち>が自己組織化し、居場所の<いのち>のドラマから、生徒たちの「活き」が引き出される与贈循環が生まれていきます。

それは、周りと共に生きていく共存在の原理を体験するものになるでしょう。
 
また、その体験を共有した教師が増えていけば、学校組織はトップダウンの管理の場から、学習する組織のようなものに自然と変わっていくのではないでしょうか。
  

ピラミッド型社会は、マジョリティとマイノリティを作り出す

 
原生林を思い浮かべてみると分かるように、生き物は、もともと多様であり、1つとして同じ個体はありません。
 
人間も生き物ですから、当然、多様な存在であり、誰もが異なる性質を持っています。
 
そういう意味では、すべての人がマイノリティなのです。
 
しかし、ピラミッド型組織において、トップダウンに「あるべき姿」の「規格」を押し付けられてきたときに、規格内と規格外の線引きがされ、マジョリティとマイノリティとが生まれるのではないでしょうか。
 
欲と怖れのサイクルが回り、社会に適応するためにその規格を受け入れ、内面化することによってマジョリティは均質化されていき、その一方で、本来は多様な性質を持っているため、源の上に蓋ができ、人々は源から切り離されていきます。
 
適応できない人たちは、「規格外」のレッテルを張られ、自己肯定感を奪われていきます。
 
適応行動によって魂に蓋がされていく仕組みを理解するために、深尾葉子著『魂の脱植民地化とは何か』がとても参考になりました。

社会の変化は周辺部から起こる

 
社会が変わりはじめる段階では、社会を変えたいと思って行動を始める人は、社会における圧倒的なマイノリティです。
 
だから、仲間を見つけるのが非常に難しく、居場所からの<活き>を受け取れないのです。
 
そのため、情熱を注ぎ続け、活動を続けていくことが難しくなります。
 
しかし、その状況を劇的に変えるツールが登場しました。
 
それが、Zoomです。
 
Zoomは、つながる力を増幅するテクノロジーなのです。
 
住んでいる地域に関係なく、想いがシンクロする相手とオンラインで集まり、語り合うことができます。
 
語り合うことは、お互いが源につながることを助け、生命エネルギーが湧きだし、情熱を持って活動を続けられるようになります。

そのようなチームがたくさんでき、お互いにクロスオーバーしながら語り合いの環が広がっていったときに、大きなうねりが生み出されていくのではないでしょうか。
 
それが、社会変革ファシリテーター、ボブ・スティルガー氏の言う、トランス・ローカルへと繋がっていくのではないかと思います。

 

私が分かち合いたいもの

 
つながる力を使って社会や組織を変えていきたい人に、私は、次の2つのものを分かち合いたいと思っています。
 
(1)Zoomを使ったオンラインの場創りの基礎知識
 
(2)オンラインコミュニティに与贈循環を自己組織化させる方法
 
これらは、私が体験を通して試行錯誤をしながら学んできたものであり、現在進行形で学び続けているものです。
 
現段階でつかんでいるものを共有したうえで、志を同じくする皆さんと一緒に学び合い、集合知を発生させることによって活動を加速させていけたらと思っています。
 
活動が広がっていく中で、リアルとオンラインの多くの場に愛を起点とした与贈循環が自己組織化し、それらが相互に繋がっていったときに、新しい社会の在り方が現れるのではないでしょうか。
 
それが、私の考えるZoom革命です。

 

 

 

 




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